学校の帰り
ひさしぶりに天気が安定しましたので、学校が終わったあとに
そのまま街中まで出かけました。暑い日ざしを浴びながら、
中心街までスクーターで向かっていました。
かなり大きな交差点で、信号待ちをするために止まりました。
ゆっくりと周りをみながら、待っていました。
わたしの後ろには、真っ黒な上にスモークを貼ってある
大きなベンツが止まっていました。
黒い男
突然後ろのベンツの左扉(運転席?)が開き、
かなり長身でがっしりとした男性が降りてきました。
黒いサングラス、礼服のようなブラックスーツ。
わたしの方に、まわりを見回しながら、ゆっくりと
近づいてきました。
まさか、こんな白昼堂々、街中の交差点で…何をされるんだろう
バイクを押して歩行者に紛れて逃げようかと迷ってました。
「おい、靴ひもほどけてるぞ。危ねえぞ。お嬢ちゃん」
…正確には、ほどけてるのは、靴ひもではなくて、
ジャンパーの丈を絞るひもでした。強風のためか、
ほどけて、路上に届くほど長く伸びていました。
ごめんなさい。人を外見だけで判断して怯えてました。
後から気が付いたのですが、フルスモークのフロントと
真っ黒なサングラスを通して、
風になびく紐って見えるものなのでしょうか。